私は2019年、3回目の受験で社労士試験に合格しました。
合格した年に使っていたのは「社労士24」という教材と、その直前対策のみです。
よく「社労士24だけで合格できるの?」「いつ勉強してたの?」などと聞かれるので、今回は私がどんな勉強をしていたかを書きたいと思います。
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写真はPCを使っていると乗ってくるうちの猫です
勉強方法:私の場合。
「合格者の数だけ勉強方法がある」とは私の恩師・大原の金沢先生のお言葉ですが、その言葉通り「こうすれば受かる」という万人に通用する勉強方法はないと思います。
それでも、他人の勉強方法を知ることで参考になる部分もあるかもしれないので、ご紹介させていただきます。
教材
資格の大原の「社労士24+直前対策」という通信教材のみを使っていました。
社労士試験10科目の動画レクチャーとテキスト、トレーニング問題集(択一、選択)が基本パック。
直前対策には労働統計・白書まとめ、法改正、模試、直前対策演習などが含まれています。
受験1年目は独学(市販のテキスト)。本試験直前に配信された「社労士24+で10点アップ」という無料の動画に出会い、本当に本試験で何点かアップして惜しいところまで行けたので、翌年は社労士24にしました。
2年目は社労士24+直前対策に加えてほかの問題集やテキストも購入してみましたが、結局手が回らず。
3年目は社労士24と直前対策のみに絞りました。
勉強スケジュール
私は勉強の計画を立てるのがとても苦手で、実効性のある計画は最後まで立てられませんでした。
その代わり、社労士24の科目ごとの配信日や模試の日程をチェックし、それを目安に勉強を進めました。

トータルの勉強時間や問題集の回転数をよく聞かれるのですが、記録していないのでわかりません。ごめんなさい。
何しろ集中力がないため机に向かっていた時間=勉強時間とは限らないのと、ながら勉強が多くてカウントが難しいためです。
問題集は各科目2~3回転でした。
9月~4月
この時期は「配信されたレクチャーを聴き、次の科目の配信日までに択一・選択それぞれのトレーニング問題集(トレ問)を1周する」というのを目標にして勉強を進めていました。
参考までに、こちらは2021年版の配信スケジュールです。
・労基→2020/08/29
・安衛→2020/09/28
・労災→2020/10/29
・雇用→2020/11/28
・徴収→2020/12/24
・労一→2021/01/13
・健保→2021/01/29
・国年→2021/02/26
・厚年→2021/03/30
・社一→2021/04/14
ざっくり1科目1か月。ゴールデンウィークまでに全科目の配信が終わるようになっています。
5月~本試験(8月)
5月に入ると、社労士受験界では「直前期」です。

8月の4週目が本試験なのに5月からもう直前期!?って思いますけど、そういうことになっているみたいです。
ここまでに全科目を一通り学び、ここからは全科目を回しつつ記憶を定着させていく時期になります。
6月半ばに中間模試、7月初旬に全国統一模試1、7月下旬に全国統一模試2があるので、それぞれに向けてなるべく全科目を回転。
模試を受けたらその解説を聞いて復習。また一般常識科目の対策として労働統計・白書の勉強も行います。
勉強の進め方
基本的な勉強の流れは、あるチャプターを勉強する→当該箇所の問題を解く→わかっていないところの復習をする、覚えるべきは覚える、の繰り返しです。
社労士24にはトレーニング問題集(通称「トレ問」)という過去問をベースにした問題集が付いています。それを1問目から順に解き、問題集に解いた日付を記入し、間違えたところには付箋を貼りました。

健康保険法のテキストとトレ問(2019年版)
私の場合はあまり工夫もなく、重機で整地するかのように片端から解いていき、全部終わったら最初に戻ってまた一から解きなおしていました。
解いてみてわかっていないところ、うろ覚えのところなどはレクチャーを聞きなおしました。
社労士24は1つのチャプターが数分と短いため、わからないところだけピンポイントに確認することができて重宝しました。
択一式トレーニング問題集
択一式のトレ問は一問一答形式。左側に問題、右側に解答と解説が載っています。
右側の解答解説ページを紙で隠して1問ごとに「○」「×」と脳内で解答し(「×」の場合はどこがどう間違っているのかを確認)、紙をずらしながら1問ずつ答え合わせをしていました。
脳内解答オンリーで紙には書きません。解答用紙を用意するのが手間だからです(笑)。
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解答用紙を用意しなくて済めば、いつでもぱっと勉強を始めることができます。勉強開始のハードルはなるべく低く!がコンセプトです。
(めんどくさがりなので)
トレ問にある□の欄に解いた日付、□の上に間違えたら×、論点があやふやだったら△を記入(正解は無印)。間違えたら細い付箋を貼りました。

実際に使っていたトレ問です
選択式トレーニング問題集
選択式のトレ問は5つの空欄を20の選択肢から選ぶ、本試験と同じ形です。
罫線の印刷された付箋を購入してボールペンで縦線を書き、解答欄として使用しました。
間違えた空欄はわかるように蛍光ペンでマークしました。1回目に解いて間違えたら黄色のペン、2回目はピンクのペン、3回目は青のペン。同じ問題を繰り返し間違えたら少しずつずらして塗りました(ペン色を淡→濃にすることでわかりやすくする)。

使っていた選トレと付箋
ページ上部に解いた日と点数を書いて、あとから見た時に「前回解いてからどのくらい経っているか」「前回は何点取れたか」がぱっと見てわかるようにしていました。
直前対策
直前期になると、全科目忘れないように回転させなきゃならないし、模試の復習もあるし、法改正や労働経済白書や最高裁の判例もチェックしなきゃならないし、直前対策演習は送られてくるし、子供は夏休みになるし、もうてんやわんやです。

夏休みは子供を学童に預けるため、朝お弁当を作らなくてはなりません。貴重な朝の勉強時間が~
このころを振り返ると、ひたすら「時間がない、時間がない」と言っています(笑)。
GWはテキスト回帰
2019年は元号が平成から令和に代わる年で、GWが10連休になりました。
私は連休を利用して、「GWはテキスト回帰」と銘打ち、テキスト全ページを振り返りつつ2018年のテキストの書き込みを2019年テキストに書き写すことにしました。
前述のように問題を解くことを勉強のメインにしていたのですが、それだけだと出題されない箇所が手薄になっていると感じたためです。

家族と旅行に行ったときは、宿泊先のホテルで家族が起きだす前に勉強していました
思いのほか時間がかかりGWの間には終わらなかったのですが、全科目を概観したことで「あー私これとこれを混同してたんだ」など弱点が把握でき、またテキストに間違えやすい論点や参照ページを書き込んだことで直前期にテキストを見た時に情報を得る効率がぐっとアップしました。
自分の弱点補強用にカスタマイズできた感じです。
せっかく10連休なんだから合宿したかったな、とつぶやいたのがきっかけでTwitter上でのバーチャル合宿につながり、資格の枠を超えて今に至るまで続いています。
GWやお盆、年末年始などに、世話人あすぱらまるさん(@asparamaru)の声掛けで開催されています。いつもありがとう!
最高裁判例
労働基準法などで出題可能性がある最高裁判例。
社労士24のブログ「社労士試験に出る最新・主要 最高裁判例」で勉強しました。
社労士試験に関係がありそうな最高裁判例がまとめられ、概要とポイント解説、ものによってはまとめ図まで紹介されていて、ものすごく充実しています。
一読しただけで細かい文言まで覚えることはできませんが、判例と結論を知っていると出題されたときに心理的に有利です。
膨大な量があるので、毎日少しずつ読み進めました。
労働統計・厚生労働白書対策
社労士24はテキストが薄いので、白書対策のテキストの分厚さには怯みます。
金沢先生の「統計はヤマハリ厳禁、超広く×超浅く押さえる」という教えに従って勉強しました。

2021からは「高く」が加わって「浅く×広く×高く」になりました
具体的には「テキストを数ページ読んでは問題を解き、またテキストに戻る」を繰り返しました。 テキストを読んだだけでは頭に入らないので、問題を解いてからまた当該ページに戻って数字を押さえる感じです。
「細かい数字(62.7%)ではなく数字の相場(6割台)が大事」という教えに従ってざっくりとした相場感を押さえるように心がけました。
写真が見にくくて申し訳ないですが、こんな感じで例えば
- 労働組合員数は1007万人→女性の組合員数は約3分の1→パートタイムは女性の約3分の1
- 推定組織率は17%→女性は約3分の2→パートタイムは全体の約2分の1
と数字ではなく比率で覚えたりすることで記憶の省力化に努めました。
また主要な数字は自分なりにノートにまとめました。
独学だった受験1年目は労一の選択式が2点で不合格だったのですが、2年目と3年目は労一も社一も3点以上取れたので、この方法が私には合っていたのだ思います。
スキマ時間活用法
私は仕事と家事、育児の傍ら勉強をしていたので、まとまった時間はなかなか取れませんでした。
3年経つ間に子供たちが保育園から小学生になり、その間卒園関係、就学準備、PTA役員、子供会、学童の係などと並行しての勉強です。
1年目、2年目は週末に外で勉強することもあったのですが、私が勉強しに出かけようとすると息子が泣いて嫌がるようになってしまいました。
家族への申し訳なさも手伝って3年目はスキマ時間がメインでした。

私が勉強している間、夫はよく車で30分ほどの博物館に子供たちを連れて行っていました。年パスを買うほどの常連になり、私も一緒に行ったときは子供たちが隅々まで案内してくれました。
朝と週末
机に向かって勉強できるのは、朝と週末がメイン。朝は平日は1時間足らずですが、週末は家族が起きてくるまで2、3時間勉強できます。
まとまった時間があるときにテキストを見ながらレクチャーを聴き、あとは問題を解きながらわからない所があったらテキストに戻ります。
週末は朝のほか、子供を習い事に送って行ってから終わるまで待っている時間を活用していました。
あとは「子供が宿題をやっているときに一緒に」とか「子供たちが食事を終えるのを待っているとき」「外食で注文してから料理が来るまで」「銀行や病院で順番待ちの最中」など、隙あらば問題を解いていました。
耳が空いているとき=勉強時間
机に向かう時間がなかなか取れない代わりに、耳が空いているときはずっと社労士24のレクチャーを聴いていました。
料理をしている時、洗濯物をたたむ時、通勤中、スーパーで買い物をしている時など。
聴いたら日付をレクチャー一覧(社労士24のブログに掲載されたものを印刷)に記入。
苦手なところを重点的に聴いていたらそうでないところが手薄になってしまったため、全レクチャーを順番に漏れなく聴くようにしました。
全範囲を繰り返し聞けるところが社労士24の最強なところで、私の場合ほとんど”ながら聴き”だったにも関わらず、問題に向かうと「先生〇〇って言ってたな」とか「こういう規定があるならレクチャーで触れられていたはず」など浮かんできて、本試験でも助けられました。
スマホとBluetoothでつなぎ、首にかけたスピーカーから音声が聞こえてきます。
ネックスピーカーを使うと→
・料理で炒め物をしたり、お風呂を洗ってシャワーで流したりしていてもちゃんと聞こえる(ドライヤー中はさすがに無理でした)
・イヤホンと違って耳をふさがないので、子供に話しかけられたとき対応できる
・部屋を移動するときスマホを持ち歩かなくていいので、手が空く(両手で洗濯籠を運ぶ時などに便利)
お勧めです☆
トレ問アプリ
問題集は広げられないし、レクチャーを聞くのも難しいときに役に立つのがスマホのアプリ。
トレ問がアプリになったもので、過去問を手軽に解くことができます。
1科目単位で数百円で購入可能。
自分の正答率の低いものだけ出題したり、複数科目横断でランダム出題したりすることができる優れものです。
私は学童に子供を迎えに行き、出てくるまで待っている時間や、レジ、ATMで並んでいる時間などはスマホのアプリで問題を解いていました。
年金を強化したかったので、主に年金2科目をランダム出題していました。

とはいえ私は紙が好きなアナログ人間なので、メインは紙のトレ問を使い、アプリはサブでした。使いこなせたら強いと思います。
Twitterは情報収集、モチベーション維持のために日々活用していました。
時間の達人 社労士試験 @Sharoushi24
資格の大原のカリスマ、金沢先生がツイートするアカウント。
社労士受験生はフォロー必須です。
毎日「Twitterで選択対策」の出題(アンケート機能を使っていて、各自回答できます。解答解説は翌日)があるのに加え、勉強の取り組み方、心構えやモチベーションなどのメンタル面、法改正などの最新情報、解法や語呂合わせなど幅広いお役立ち情報が毎日配信されます。
前回のブログで紹介したまとめ図も。
真面目一辺倒ではなく、替え歌や先生のMV(なぜ)もあるのが人気の秘密。
ほんとに無料でいいの!?と思う情報量とクオリティですが、もちろん無料です。
Twitterをやっていない人も、このアカウントをフォローするためにTwitter始めたほうがいいです。
ガンダムやドラゴンボールやEテレ情報に若干詳しくなれるおまけつき。
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金沢先生の過去の名言をツイートする「時間の達人社労士試験 名言bot」@bot_kanazawa (通称:ダルマくん)もお勧めです。
個人的にはたまに先生とダルマくんのやりとりがあるのが好きです。
Twitterで仲間づくり
社会人になって何らかの勉強をしている人は5%ほどだそうです。
スクールに通学していなければなかなか同じ資格を目指す仲間とは出会えませんが、Twitter上ではたくさん出会えます。
私はたくさんの社労士受験生の方とTwitter上でつながり、貴重な仲間を得ることができました。
日々の勉強をツイートしてお互いに「いいね」し合ったり、わからないところを教えてもらったり、不安に駆られたときに励まし合ったり、有用な情報をシェアしたり。
通信、独学の人にとって勉強は孤独な戦いです。
仲間の存在にどれだけ助けられたかわかりません。
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社労士24にはわからないところを質問できるサービスがついていますが、私はツイッターで聞くと誰かが教えてくれるので、結局質問サービスは一度も使いませんでした。
私は合格まで3年かかったので、その間に先に合格していった人には試験合格後にどのような道を歩むのか見せてもらえたし、同期で合格した人たちは今も情報交換や勉強会をしたり相談したりできる、貴重な仲間となっています。
そのほか
トイレやキッチンの壁にまとめ図を貼り、目に入るようにしました。
息子がトイレに一人でいくのを嫌がり毎回付き合わされるので(しかもおしゃべりしているので長い)、待ちながら眺めていました…。
また、シュレッダーをかけるときなど「手は塞がっていても脳は暇」という時、苦手な論点や数字(高額療養費など)を思い出すように努めていました。

最初は「何か思い出してみよう」と思っても何も浮かばず愕然としました。
終わりに
長々と勉強方法を書いてきましたが、冒頭にも書いた通り最適な勉強方法は人によって異なります。
私のやってきた方法をお勧めするつもりもありません。
でも、どなたかの「最適」を見つけるのに少しでもヒントになれば幸いです。
(あ、でも金沢先生のツイッターは必須です!)
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ちなみに本試験の結果は選択式37点(合格基準点26点)、択一式48点(同43点)、全科目基準点割れなしでした。
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