社労士試験攻略法(暗記法)

社労士

社会保険労務士は国家資格で、試験の合格率はここのところ6%前後。
難関資格と言われます。
社労士試験はなぜ難しいのか。どうしたら少しでも効率よく勉強できるのか、暗記の方法を中心に考えてみました。

社労士試験が難しい理由

難易度が高い理由は以下の点が考えられます。

  • 試験科目が10科目あり、範囲が広い
  • それぞれの科目に基準点が設けられており、合計で合格ラインを上回っていても、基準点に届かない科目があると不合格になる
  • 科目合格がないので、不合格になったら次回も10科目に取り組む必要がある
  • 法改正が頻繁にあり、複数年受験しても覚えなおすことが多い

⇒つまり、全科目まんべんなく得点できなくては受からないのです。

特に毎年この基準点の制度に泣かされる受験生は多いです。

選択式は5点中3点が基準点なので、6割正解しなくてはなりません。(受験生の得点分布により基準点が補正される場合があります)
※択一式は10点中4点が基準点です。

私も1年目と2年目は1科目が基準点に1点足りず、泣きました

 

社労士試験攻略法

攻略法、と言っても残念ながらチートな近道はありません。
結局は暗記することに尽きます。

とはいえマークシートの試験。記述・論述はありませんので、文章を読んで正誤判断ができればOKです。

また、全問正解する必要はありません
全体の7割、難易度で言えば「難しい・普通・簡単」のうち、「普通」と「簡単」をしっかり押さえれば合格できます。

そうは言っても簡単にはいきません。「普通・簡単」レベルであっても膨大な量の試験範囲を、どうやって暗記するか。

基本は「勉強する→問題を解く」の積み重ねです
まずはテキストで一通り勉強し、勉強した範囲の問題を解きます。
問題を解くことでどこが論点になるのかどういう形で問われるのかを把握し、そこを意識して勉強・暗記するようにします。

その上で、効率よく覚えるにはいくつかのポイントがあります。

私は1年目は独学、2年目3年目は資格の大原の「社労士24」という通信教材で勉強していたので、自分で行っていた工夫+社労士24を例に挙げながら説明していきたいと思います。

ほかの教材を使っている方は、自分の教材に当てはめて読んでください。

【大前提】意味がある方が覚えられる&忘れにくい

記憶力のテストで全く意味のない、あるいは関連性のない単語を覚えたりしますが、意味がなかったりバラバラだったりするものは覚えにくく、また忘れやすくなります。

逆に言えば、意味があり、流れや関係性が把握できるものは記憶しやすくなるので、その点を意識しながら覚えると効率が上がります。

意味がないものは覚えにくい

意味があるものは覚えやすい

カテゴリー分けするとさらに覚えやすくなる

法律や制度の役割や目的を知る

大枠で法律の性格(役割、目的)を知っておくと各規程の内容が頭に入りやすくなり、関係性の整理にも役立ちます。

例えば

労災保険法では被災した労働者を救うための法律ではなく、使用者が労働者への補償責任を履行するための法律。
→労働者ではない個人事業主は対象外。
→保険料は使用者側が100%負担。
→使用者側が労災保険加入にメリットを感じられるような仕組みを用意している。
健康保険法厚生年金保険法は、加入しない場合の受け皿として国民健康保険や国民年金の制度があるため、強制被保険者となる対象者は狭く設定。
一方労災保険法雇用保険法はそういった受け皿となる制度がないため、対象者を広くしている。

と言った感じです。

最近は条文の丸覚えでは対応できない問題が増えているように思います(※過去問を解いてきた個人の感想です)
上記のような法律や制度の意味、位置づけを知っていると、条文を応用した論点や初見の論点を問われた時にも推測して答える指針になります
そしてもちろん、社労士になった後も役に立ちます。

私が独学の時と社労士24で勉強していた時で一番違っていたのはここかもしれません。レクチャーでは制度の目的制定された背景などについての説明が盛り込まれているため、頭に入ってきやすく、試験で問題を解くときにも思い出しやすくなりました。(上記の例もすべて社労士24のレクチャーの受け売りです)

私はそれまで法律を学んだり、法律系の資格を取得したりしたことがなかったので、この点は独学では難しかっただろうと思います。

情報を整理して把握する①類似点と相違点

学習が進んで知識が増えてくると、似た項目も増えてくるため次第にごちゃごちゃしてきます。

試験では紛らわしいところが問われます。そこを整理して、「何と何が共通しているか」と「何と何がどう違うか」を押さえます。

整理した情報は文章の羅列ではなく、表や図にまとめると頭に入りやすいです。
(以下ご紹介する図解は資格の大原社労士ブログ「ただの画像まとめ」からお借りしています)

給付制限のまとめ
ただ(無料)の画像まとめ(横断編)より

これは保険給付の制限についてまとめられた図です。
例えば「故意に」=故意に事故を起こした場合などは健康保険、国年・厚年、労災保険のいずれも「支給しない」で一致しています。
一方で「命令に従わない」=医師の命令に従わなかった場合などの支給制限は制度によって異なることがわかります。

こうした紛らわしいところは引っ掛け論点として出題されやすいので、一つひとつバラバラに押さえるより共通点・相違点を整理する方が効率的です。

年金の併給調整では、社労士24の金沢先生が「簡単に解ける解法を編み出したために併給調整がサービス問題となり、結果的に試験の難易度を上げてしまった」というお詫びで有名な(?) 通称「4の法則」もあります。
併給調整の図
ただの画像まとめ(厚生年金保険法)より

この「ただの画像まとめ」は無料公開しているとは思えない神図解の宝庫なので、受験生の皆さんはぜひ一度チェックしてみてください!

私は毎年苦手なところを印刷して本試験に持参していました。

情報を整理して把握する②パターンを見出す

法則やパターンがわかると、すべてを覚えなくても法則に当てはめれば問題を解くことができるようになります。

私は独学の時に労働保険料の申告・納期限(徴収法)が15日後か30日後か、納付書か納入告知書かがなかなか覚えられなかったのですが、社労士24のレクチャーで

・当初から納付予定があるもの→15日以内
・当初は納付予定がなかったもの(「加」や「追」とつくもの)→30日以内
・原則→納付書
・確定保険料の認定決定・追徴金→納入告知書

という法則を教わり、あまりに簡単に解けるようになったので「去年あんなに苦労したのに…!」と愕然としました。

労働保険料納付の図
ただの画像まとめ(労災・雇用・徴収編)より

他にも「年金を繰上げ(繰下げ)したとき増額(減額)されるもの」「障害年金の複数障害の扱い」など、一定の法則(解法)を教わったことで簡単に解けるようになり、一つひとつ覚える必要がなくなりました。

こういった解法はそれぞれのスクールや講師の腕の見せ所かも!?

私は自力では無理でした…

数字はあらゆるものを総動員

数字はそれ自体には意味がないため記憶の負荷が高く、覚えにくいもののひとつです。
しかし、社労士試験には人数、年号、期限、等級、金額など数字がたくさん出てきます。
数字を避けて通ることはできません。
何かに関連付けて覚えたり、整理して覚えやすくしたりといった工夫が必要です。

例)
雇用保険法の特定受給資格者となる条件は3のつく数字が多い(30人、3分の1、3ヶ月、3年)
育児休業給付金の支給日数の単位が「30」日、給付割合が100分の「40」(原則)→100分の「50」(当分の間)→100分の「67」(180日)で34567連番押さえ(※数字は当時のものです)

他に家族の生年月日や自分の年齢(「○○があったのは○歳の時」など)も総動員して覚えました。

語呂合わせを活用する

とはいえ理解や整理で全てを覚えられるわけではありません。
そんな時に頼りになるのは語呂合わせ
自分で考えてもいいですし、社労士試験用語呂合わせの本が市販されているので活用するのも手です。

社労士24ではレクチャー内に数多くの語呂合わせが登場します。社労士24ユーザーの間で「好きな語呂合わせランキング」の投票が行われるほどの名作揃い。私も基本手当の所定給付日数(雇用保険)、高額療養費(健康保険)はじめありとあらゆる場面で語呂合わせに助けられました。

所定給付日数の挿絵

所定給付日数といえばコレ

繰り返すことで記憶の定着を図る

再学習曲線は学習曲線を上回る」…これは私が大学時代に習ったことで、勉強をしながら唱えていた呪文です(笑)。

意味は、「1度覚えたことをすっかり忘れてしまったとしても、2度目に覚えるときは1度目より早く覚えられる」。(エビングハウスの実験より)

勉強したはずのことを忘れていると嫌になりますが、忘れてしまっても1回覚えたことは無駄ではないのです。

勉強して、問題を解いて、わかっていなかったところと原因を把握。
忘れているのであれば覚え直し、ごちゃごちゃして他と混ざっていたなら整理し、わかっていないところや苦手なところはレクチャーを聴き直し、また問題を解く。

その繰り返しで記憶を定着させていきます。

私はあまりまとまった勉強時間が取れなかったのですが、その代わり家事や買い物、通勤途中など、「手や目は離せないけれど耳が空いている」というと時はいつも社労士24のレクチャーをながら視聴していました。

1か月前に聞いたことより昨日聞いたことの方が記憶に残っています。
社労士24はレクチャー全部で24時間なので、広大な範囲の全体を短い期間で繰り返し聞けたのは大きなプラスでした。

理解か暗記か

理解も大事。でも暗記はマスト

資格の大原の中亭先生が提唱する「9フレーム」という”しあわせ学習法”があります。
私は2019年1月に初めてその勉強法について知り、その後8月の本試験まで大いに助けられました。

その9フレームセミナーのなかで、「合格するためには理解より暗記」ということが強調されていました。
理解して覚えたい私としては、結構ショックです。

でも、理解しなくていいということではなく、「目的は合格、そのためには暗記が必須」「理解はあくまでも暗記のため」ということなのだと解釈しています。
理解を追い求めると沼にはまっていき、結局本試験までに全範囲の学習が終わらなかった…なんてことになりかねません。

暗記を決意する。目を離して暗記する

ここまでいくつかの「効率よく覚える方法」についてご紹介してきました。
でも、そういった方法論以前に大事なのは「暗記する覚悟を決めること」。そして「目を離して暗記する」ということだと思います。
どちらも9フレームセミナーで教わった話で、私に足りないところだと痛感した点です。

「目を離して暗記する」というのは、テキストを開いたまま覚えようと思っても覚えた気になるだけ。きちんとテキストを閉じ、覚える対象から目を離して暗記する、ということです。

暗記すると決意する、そして目を離して暗記に臨む。その2点を心に留めるだけで暗記の効果はぐっとアップすると思います!

9フレームについて気になった方は「しあわせ学習法 9フレーム」という書籍が出ていますので、ぜひご覧ください

まとめ

  • 社労士試験は広範囲で、全科目基準点以上を得点しなければならないから難しい
  • 論点の問われ方を頭に入れて勉強する
  • 色んな工夫で効率よく暗記する
  • 繰り返して記憶を定着させる
  • 暗記することを意識し、覚えるときは目を離す

コメント

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